ペットボトルにICタグを内蔵する技術を開発

薬や危険物管理の省力化に

ペットボトル成形機製造のフロンティア(上田市)は、ボトルの内層と外層の間にICタグを内蔵する技術を開発した。専用端末でICタグを検知したり、書き込んだ情報を読み取ったりするとこで、薬品や危険物の管理などを省力化できる。脱プラスチックの流れが強まる中、ペットボトルの新しい使い方を提案し、成形機の受注につなげる。
同社の成形機は、試験管状の樹脂「プリフォーム」を空気で膨らませて成形する。ICタグを内蔵するボトルは、内層の口部や底部にタグを張り付け、外層を重ね合わせてから空気を送り込んで製造する。層によって断熱や保温力がある高機能材を選べる上、内蔵することで損傷や偽造からICタグを守ることもできる。昨年3月、大手ICタグメーカーと共同でこの技術の特許を取得した。
微弱な電波を発する「RFID」と呼ばれるタイプのICタグを採用すれば、ボトルを自動で検知する使い方ができる。例えば、病院でボトルに入れた薬品が部屋から持ち出されるのを出入り口の専用端末が検知し、人に知らせる。
化粧品や飲料などのラベルを削減する場合、製品や内容量などの情報をICタグに入力すれば、消費者がスマートフォンのアプリを使って読み取れる。
中村喜則社長は「ラベルと違い、大量の情報を載せることができる」と説明。同社によると、ICタグの価格は下落傾向で、現在は1枚10円を切る程度だ。薬品などの管理の簡素化に伴う人件費の抑制や、ラベルをなくすととでプラごみを削減できる効果が、ボトルのコストを上回ると期待する。
フロンティアは昨年12月、千葉市幕張メッセであった展示会で試作品を披露。化粧品や薬品メーカーが関心を寄せているという。同社の2021年10月期の売上高は30億円余。約8割を飲料など食品市場向けが占めるが、脱プラの流れもあり同市場向けは頭打感がある。中村社長は「ただ機械を造るのではなく、容器の新しい可能性を示していきたい」とし、高付加価値のボトルを作る成形機をアピールしていく方針だ。

信濃毎日新聞 2022年2月15日

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