フロンティアは、家庭や市場から回収されたPETボトルが再びPETボトルに、いわゆる B to B(Bottle to Bottle)と呼ばれるリサイクル材料100%用いた樹脂によるPETボトルの成形システムを発表する。 公式な一般公開実演としては業界で初。
27日から3日間開催のドリンクジャパン展(幕張国際展示会場)で成形機や多くの最新技術を用いた環境対策ボトルなども出品する。
現在日本国内では使用されたPETボトルは多くが回収され再生樹脂となり、およそ6,500㌧が既に大手飲料メーカーの一部PETボトルで使用され始め、お茶や紅茶飲料用として市場化されている。他に75,000㌧が卵パックやシート、繊維に再利用されているが、まだ初期段階で、2020年に約10万トンが再生樹脂化となる予定でPETボトル化率は15%弱程度である。 回収されたPETボトルは国内では大手2社が再生樹脂製造を行っているが、その回収手段や経費がかさんで現在はバージン材より20~30%高い再生樹脂価格帯となっている。 しかし大手飲料メーカーは積極的に再生PET材を求め再ボトル化を推進している。一方、まだ全使用量に対して希少な再生材供給の事情から、再生材をブレンドして少しでも3Rに近付けたボトルを市場に出そうという動きも進んでいる。 また日本の再生材の高品質も相まって海外からも再生PET樹脂の引合いが殺到している状況でもある。
この様な日本国内の状況から再生PET材の有効利用が最優先課題としてフロンティアは取り組んでおり、この度再生PET材製造会社の国内最大手である遠東石塚グリーンペット社とそのグループ会社であるプリフォーム生産専門会社の日本パリソン社と提携して100%再生材を用いたプリフォームの提供を受け、500mlの丸形状容器と角形状容器を同時成形できる最新鋭機FX-2L型での展示実演を行う。
FX-2L型は世界で初めてのスカラロボット駆動で4基のロボットがプリフォームとボトルのハンドリングを行うユニークな成形機で特許も取得済み。
リサイクルプリフォームのみならず当然のことながら成形機も省エネに徹しており、ブロー成形時の高圧エアーを回収し40%の削減を達成、プリフォームの加熱も25%の省電力化ができるなど省エネ先行型成形機となった。
更には無人化を推し進めプリフォームのFX型ブロー機への投入も多関節ロボットで行い、射出成形機からFX機までのボトル成形システムは完全無人化されたシステムとなっている。
今回の展示実演はプリフォームハンドリング装置から多関節ロボットでFX-2型にプリフォームを投入し1時間2,000本の成形を行う。 FX-2L型は本体価格が45,300,000円、プリフォームハンドリング装置は一式6,100,000円。 年間3~4ラインの販売を目標としている。